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ヒトゲノムの3D構造は「丸めた麺のようなフラクタル」 | WIRED VISION
ヒトゲノムを数百万の断片に分解し、その配列をリバース・エンジニアリングする手法により、ゲノムの3次元構造の画像が、かつてないほどの高解像度で作成された。
再現された構造は目を見張るようなフラクタル形状をしている。この手法を使えば、ゲノムのDNAの内容だけでなく、ゲノムの形状そのものが、人間の発達や疾病にどのような影響を及ぼしているか調べることが可能になるだろう。
「染色体の空間構造が、ゲノムの制御に非常に重要だということが明らかになった」と、「Science」誌の10月9日号に発表された今回の研究論文を執筆した1人で、マサチューセッツ大学医学部の分子生物学者であるJob Dekker氏は話す。
初歩的な生物の教科書や、一般の人々のイメージの中では、ヒトゲノムは23対の染色体におけるDNAとタンパク質の複合体[クロマチン]の中に収められ、それら染色体はきれいなX型をして1つ1つの細胞核の中に並んでいるように描かれている。しかし実際には、そのような状態になるのは細胞が分裂しようとしているごく短い間だけだ。それ以外のとき染色体は、絶え間なく形を変えるかたまりとして存在する。むろん、染色体を構成するひも状のDNAも、密集してかたまりになっている。ゲノムを端から端までまっすぐに伸ばすと、約2メートルほどの長さになる。
何十年も前から、一部の細胞生物学者たちの間では、ゲノムが圧縮されているのは効率よく保存するための仕組みというだけでなく、遺伝子の機能や相互作用そのものに関係しているのではないかと考えられてきた。しかし、それを突き止めるのは容易ではない。ゲノム配列を解析しようとするとゲノムの形状が壊れてしまうし、電子顕微鏡では活性表面の下をほとんど見通すことはできない。その構成要素は知られていても、ゲノムが本当はどんな形状をしているのかは謎のままだった。
ゲノムの構造を直接見ることなく解明する方法として、研究チームはまず細胞核をホルムアルデヒドに浸した。ホルムアルデヒドはDNAと相互作用して接着剤のような働きをする。これによって、ゲノムの直鎖状配列では離れているが、実際の3次元のゲノム空間では近接している遺伝子どうしがつなぎ合わされた。
研究チームはその後、ホルムアルデヒドによるつながりは残したまま、直鎖状配列の遺伝子どうしのつながりは分解するような化学物質を加えた。その結果、ペアになった遺伝子の集まりができあがった。それはちょうど、麺を100万もの細かな層に切り分けて混ぜ合わせ、ボール状に凍らせたようなものだった。
遺伝子のペアを調べることで、元のゲノムではどの遺伝子どうしが近接していたのかが特定された。ソフトウェアを用いて、遺伝子ペアをゲノム上での既知の配列と相互参照した結果、ゲノムのデジタル立体構造が組み立てられた。その立体は目を見張るようなものだった。
「どこにも結び目がなかった。絡み合った箇所が1つもない。麺を驚異的に密集させて丸めたボールのようでありながら、その麺の一部を引っ張り出したり戻したりできる。しかも、全体の構造は全く崩れない」と語るのは、論文の共同執筆者でハーバード大学の計算生物学者であるErez Lieberman-Aiden氏だ。
これを数学的に説明すると、ゲノムのこれら断片は折りたたまれてヒルベルト曲線[フラクタル図形の1つ]に似たものを形成している。ヒルベルト曲線は、決して重複することなく2次元の空間を埋め尽くすことのできる図形の一種だが、同じことが3次元で行なわれているわけだ。
研究チームはまた、染色体には2つの領域があることも発見した。1つは活性化した遺伝子の領域で、もう1つは不活性な遺伝子の領域だ。そして、絡み合うことなく作られた曲線のおかげで、遺伝子はその間を容易に移動できるようになっている。
Lieberman-Aiden氏はこの配列を、大きな図書館に隙間なく並ぶ電動の本棚にたとえた。「それらは書架のようなもので、上下左右に隙間なく積み重なっている。そしてゲノムがある遺伝子の一群を使いたくなると、それが収まっている書架を開く。ただしゲノムは書架を開くだけでなく、図書館の新しい場所に移動させる」
活性化した遺伝子と不活性な遺伝子の領域を区別していることは、ゲノムの構造そのものが遺伝子機能に影響を及ぼしていることの裏付けとなる。
ゲノムの形状と遺伝子的な機能を結びつけて研究することで、「直鎖状配列」のみに焦点をあててきた従来のゲノミクスによっては不明だった疾病と遺伝子との関係も解き明かされていくだろうと期待されている。研究チームはさらに、ゲノムの形状がどのように変化するのかについても研究したいと考えている。幹細胞から成熟細胞に変化する間、そして細胞が機能している間、ゲノムの形状は常に変化しているとみられているが、詳しいことはわかっていない。

ヒトゲノムの3D構造は「丸めた麺のようなフラクタル」 | WIRED VISION
ヒトゲノムを数百万の断片に分解し、その配列をリバース・エンジニアリングする手法により、ゲノムの3次元構造の画像が、かつてないほどの高解像度で作成された。
再現された構造は目を見張るようなフラクタル形状をしている。この手法を使えば、ゲノムのDNAの内容だけでなく、ゲノムの形状そのものが、人間の発達や疾病にどのような影響を及ぼしているか調べることが可能になるだろう。
「染色体の空間構造が、ゲノムの制御に非常に重要だということが明らかになった」と、「Science」誌の10月9日号に発表された今回の研究論文を執筆した1人で、マサチューセッツ大学医学部の分子生物学者であるJob Dekker氏は話す。
初歩的な生物の教科書や、一般の人々のイメージの中では、ヒトゲノムは23対の染色体におけるDNAとタンパク質の複合体[クロマチン]の中に収められ、それら染色体はきれいなX型をして1つ1つの細胞核の中に並んでいるように描かれている。しかし実際には、そのような状態になるのは細胞が分裂しようとしているごく短い間だけだ。それ以外のとき染色体は、絶え間なく形を変えるかたまりとして存在する。むろん、染色体を構成するひも状のDNAも、密集してかたまりになっている。ゲノムを端から端までまっすぐに伸ばすと、約2メートルほどの長さになる。
何十年も前から、一部の細胞生物学者たちの間では、ゲノムが圧縮されているのは効率よく保存するための仕組みというだけでなく、遺伝子の機能や相互作用そのものに関係しているのではないかと考えられてきた。しかし、それを突き止めるのは容易ではない。ゲノム配列を解析しようとするとゲノムの形状が壊れてしまうし、電子顕微鏡では活性表面の下をほとんど見通すことはできない。その構成要素は知られていても、ゲノムが本当はどんな形状をしているのかは謎のままだった。
ゲノムの構造を直接見ることなく解明する方法として、研究チームはまず細胞核をホルムアルデヒドに浸した。ホルムアルデヒドはDNAと相互作用して接着剤のような働きをする。これによって、ゲノムの直鎖状配列では離れているが、実際の3次元のゲノム空間では近接している遺伝子どうしがつなぎ合わされた。
研究チームはその後、ホルムアルデヒドによるつながりは残したまま、直鎖状配列の遺伝子どうしのつながりは分解するような化学物質を加えた。その結果、ペアになった遺伝子の集まりができあがった。それはちょうど、麺を100万もの細かな層に切り分けて混ぜ合わせ、ボール状に凍らせたようなものだった。
遺伝子のペアを調べることで、元のゲノムではどの遺伝子どうしが近接していたのかが特定された。ソフトウェアを用いて、遺伝子ペアをゲノム上での既知の配列と相互参照した結果、ゲノムのデジタル立体構造が組み立てられた。その立体は目を見張るようなものだった。
「どこにも結び目がなかった。絡み合った箇所が1つもない。麺を驚異的に密集させて丸めたボールのようでありながら、その麺の一部を引っ張り出したり戻したりできる。しかも、全体の構造は全く崩れない」と語るのは、論文の共同執筆者でハーバード大学の計算生物学者であるErez Lieberman-Aiden氏だ。
これを数学的に説明すると、ゲノムのこれら断片は折りたたまれてヒルベルト曲線[フラクタル図形の1つ]に似たものを形成している。ヒルベルト曲線は、決して重複することなく2次元の空間を埋め尽くすことのできる図形の一種だが、同じことが3次元で行なわれているわけだ。
研究チームはまた、染色体には2つの領域があることも発見した。1つは活性化した遺伝子の領域で、もう1つは不活性な遺伝子の領域だ。そして、絡み合うことなく作られた曲線のおかげで、遺伝子はその間を容易に移動できるようになっている。
Lieberman-Aiden氏はこの配列を、大きな図書館に隙間なく並ぶ電動の本棚にたとえた。「それらは書架のようなもので、上下左右に隙間なく積み重なっている。そしてゲノムがある遺伝子の一群を使いたくなると、それが収まっている書架を開く。ただしゲノムは書架を開くだけでなく、図書館の新しい場所に移動させる」
活性化した遺伝子と不活性な遺伝子の領域を区別していることは、ゲノムの構造そのものが遺伝子機能に影響を及ぼしていることの裏付けとなる。
ゲノムの形状と遺伝子的な機能を結びつけて研究することで、「直鎖状配列」のみに焦点をあててきた従来のゲノミクスによっては不明だった疾病と遺伝子との関係も解き明かされていくだろうと期待されている。研究チームはさらに、ゲノムの形状がどのように変化するのかについても研究したいと考えている。幹細胞から成熟細胞に変化する間、そして細胞が機能している間、ゲノムの形状は常に変化しているとみられているが、詳しいことはわかっていない。

Sat.,
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英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)の研究チームは、ネズミを用いた実験で、タンパク質S6キナーゼ1(S6K1)の生産を抑制する遺伝子操作を行ったところ、寿命が最大で20%延びたほか、高齢化に伴う疾病の発症率も減少した。
1930年代以降、ラットやネズミ、サルを用いた実験で、カロリー摂取を30%抑えると、寿命が40%延びるほか、健康維持にも効果があることが証明されている。
一方、UCLの研究チームが米科学誌「サイエンス(Science)」に発表したS6K1の生産を抑制する方法でも、同様の効果が得られることが分かった。S6K1は、食物摂取に対する身体反応を調節するタンパク質だ。
「S6K1の活動を抑えたメスのネズミでは、複数の老化現象の進行が抑制されることが確認された」と、研究を主導したドミニク・ウィザース(Dominic Withers)教授は説明する。「こうしたネズミは、対照群のネズミよりも長生きし、体型もスリムで、より活動的で健康だった」
遺伝子操作を施されたメスのネズミの寿命は、通常よりも20%(約160日間)長い950日だったという。
こうしたメスのネズミでは、人間の中年に相当する600日目において、通常のネズミよりもやせ形で、骨も強固なうえ、第二種糖尿病も発症していなかった。また、運動能力や認知能力も優っていた。さらに、免疫システムの鍵となるT細胞も「若々しかった」という。これにより、通常、高齢化と共に起こる免疫力の低下を遅らせる効果があるとみられる。
一方、遺伝子操作を施したオスのネズミでも、インシュリン耐性の抑制や健全なT細胞など、健康面での効果が確認できたが、寿命にはほとんど違いがなかった。メスとオスに違いが出た原因は、まだ分かっていない。
それでも、「老化の防止手段の解明が、考えた以上に突然、近づいた」と、研究チームの一員、デービッド・ジェムズ(David Gems)氏は期待を示す。「線虫を用いてスタートした実験は、今や薬を投与した実験が可能なマウスレベルにまで進歩した」と話すジェムズ氏は、次段階として、人間の老化抑制に対するメトホルミンなどの薬品の有効性の確認実験を目指すという。
永遠の若さへの道は近い?英研究者がネズミの老化抑制に成功 国際ニュース : AFPBB News
Tue.,
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カルシウム味

遺伝的に系統が異なる40種類のマウスにカルシウムを含む溶液を飲ませたところ、多くが飲むのを嫌うなか、がぶ飲みする系統が見つかった。遺伝子を比較した結果、カルシウムを味わうのに使う二つの遺伝子が特定された。

人間の舌は、甘み、塩味、酸味、苦み、うまみという五つの基本味を感知する。今回のマウスの遺伝子に似たものは人間にもあることから、研究チームは「カルシウム味」が基本味の一つである可能性もあると考えている。

研究チームのマイケル・トルドフ博士は「カルシウム味は苦みに酸味が少し加わったようなものだ。適切に表現する言葉はなく、『カルシウムっぽい』としかいいようがない」と話している。

asahi.com(朝日新聞社):甘い?辛い?いや「カルシウム味」 米で第6の味発見か - サイエンス

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