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有機化学美術館・分館:ナノカーシリーズにニューマシン投入 - livedoor Blog(ブログ)
以前から何度か紹介している、James Tour教授のグループによる「ナノカー」シリーズに新作が登場しました。ナノカーは文字通り車の形をした分子で、細い探針で押してやることにより、金箔などの表面上を文字通り「走る」ことが可能な化合物です。すでにいくつかのタイプが発表されていますが、今回満を持して投入されたニューマシンは、「ナノドラッグスター」と命名されています。
ナノカーのタイヤ部分には、これまでフラーレンやカルボラン、ルテニウム錯体などの球状分子が用いられてきました。しかしこれらはそれぞれに性質が異なり、例えばフラーレンは金表面との相互作用が強いため、温度を上げてやらないとまく走りません。カルボランは相互作用が弱いので走行には有利ですが、電子顕微鏡で姿を確認しにくいといった難点はあります。
今回のニューマシンは、前輪にカルボラン、後輪にフラーレンを採用し、両者の長所と欠点を折衷した形の「ハイブリッド車」です。その名の通り、今までのものよりフォーミュラカーを思わせる構造になっています。また前輪のホイール間が短く、この部分がくるりと反転することによって方向転換も(理屈の上では)可能になっています。
分子びっくり箱 - 化学者のつぶやき -Chem-Station-
カリフォルニア大学デービス校のPower教授のグループによる報告です。
Powerらのグループはアルケンやアルキンの炭素を、高周期元素(ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛等)に置き換えた「重い多重結合」の研究をしています。「重い多重結合」は原子間結合距離が長いため、多重結合を作ることは困難でしたが、近年になりいくつか合成がなされており、、構造も反応性も炭素と大きく異なることが明らかになってきています。
今回、スズ間の三重結合種、Sn≡Snがエチレンとの[2+2]反応を僅かな条件の差異により可逆的に起こすことが見いだされました。
反応はR-Sn≡Sn-R(緑色)とエチレンが25℃以下・1気圧で無触媒下[2+2]反応が進行し、ビシクロ化合物(琥珀色)を与えます。しかし、減圧もしくは昇温するだけで逆反応(!)が起こり、Sn≡Sn(緑色)に戻ってしまうとのことです。
Ge≡Geではこの反応は不可逆であり、またSn≡Snのモデル化合物の計算では、実験結果と異なりビシクロ化合物は非常に安定でした。
彼らは、Sn上にある置換基Rによるビシクロ環のひずみが、熱力学的に微妙なバランスを形成し、可逆になっていると説明しており、このひずみエネルギーをばねの応力とみなし、”Jack in the box”(びっくり箱分子)と名づけています。
アメリカは現在10月23日です(日本は時差の関係で24日ですが)。— Happy Mole Day to You !! - 化学者のつぶやき -Chem-Station-
実はこの日は、化学者にとって重要な「祝日」なのです。皆さんご存じでしたか?
輝かしきその名は――「モルの日(Mole Day)」!
この日はご想像の通り、化学単位のモル(mole)にちなんでいます。1モルに含まれる原子数(アヴォガドロ数)は6.02x1023個ですから、
6:02AM - 6:02PM, 10月23日
を「モルの日」と定義してるワケですね。
モルの日を象徴するマスコットキャラクターとして、冒頭図のようなモグラがあちこち出てきます。由来は単純で、「英語でモグラ=mole」というだけのようです・・・。
1991年にはNational Mole Day Foundationなる団体が科学教師らによって創設され、「モルの日」におけるイベントのサポートなどを行っています。多くの教育機関がこの日を祝うそうです。
アメリカ化学会(ACS)では、モルの日を含む一週間を例年National Chemistry Weekと位置づけており、各地では化学関連のイベントが催されるようです。北米では割と知られた記念日のようですね。
しかし非公式祝日なので、世間もラボも、なんら休みじゃ無いんですけどね!(笑)
日本も、「科学技術立国」とか言って憚らないんですから、「化学の日」「科学の日」「技術の日」ぐらい非公式にでもあって良いように思うのですが・・・記念日一覧(Wikipedia)を見る限り、そんなものはどこにも無い!
そんな一方で、「光化学スモッグの日(7月18日)」なんてのが作られてしまっている・・・何ともはや・・・化学はまったくもって虐げられているようです。
結局のところ 「日本=まったく文系の国」ってことなんでしょうかねぇ・・・ヒドイ話じゃないですか ・゚・(つД`)・゚・
世の化学者たちよ、この惨状に奮起したまえ!(笑)
ゴキブリからイモムシまで、昆虫は死んだ際にすべて、ある特定の臭いのする脂肪酸の組み合わせを放出することを、科学者が発見した。この不吉な臭いに出会うと、どの虫も一目散に逃げ出すのだという。— どの虫にも強力な効果:万能防虫剤は「死の匂い」 | WIRED VISION
カナダのマックマスター大学の生物学者David Rollo氏は、ゴキブリの社会行動を研究中に、この気味の悪い発見に至った。研究チームは「Evolutionary Biology」の9月号で今回の研究結果を発表している。
ゴキブリは、(台所の食器棚など)素晴らしい居場所を見つけると、仲間のゴキブリを呼び寄せるために化学的な信号を出す。このフェロモンの化学的組成を突き止める研究のひとつとして、Rollo氏の研究チームは、死んだゴキブリをつぶし、得られた体液をまいてみた。この結果、他のゴキブリたちは「疫病を嫌うように」この成分を嫌ったという。
この成分はゴキブリだけではなく、アリ、イモムシ、シロアリ、ワラジムシも寄せ付けないことが判明した。一方、専門的には昆虫ではなく甲殻類に分類されるワラジムシ目も、これと同様の脂肪酸の組み合わせを放出した。
昆虫と甲殻類は約4億年前に分岐している。そのため研究チームはこの「死のブレンド」を、太古からある普遍的な警戒信号なのだと考えている。
Rollo氏はリリースにおいて、「他の虫の死を認識し避けることで、病気にかかる可能性が小さくなる可能性がある」「あるいは、ちょうど免疫を得られるくらいのところで逃げることが可能になる」と述べている。
「死の香り」を適切に調合すれば、農作物を厄介な害虫から守ることになるのではないかと、研究チームは考えている。例えば、この脂肪酸で処理された丸太の場合、木材につく甲虫を森の中で1ヵ月間、寄せ付けなかった。
幸いなことに、抽出された脂肪酸の組み合わせを人間の鼻が嗅ぎ取ることはできない。Rollo氏は電子メールで、「人間の死後しばらくして始まる死体の腐食では、遠くからでも判別できる臭いがあるが、それとは違うもののようだ」と答えてくれた。「処理された用紙を嗅いだことがあるが、強い臭いはないし、いやな臭いは全然しない」。
顕微鏡で有機分子の形が見えた! - 化学者のつぶやき -Chem-Station-
このほどIBMの研究者によって、ベンゼン環が5つつながった分子・ペンタセン(pentacene)の顕微鏡像が撮影されました。上図のごとく、化学結合まで鮮明に観測され、分子の形が分子模型を見るかのごとくはっきり分かります。
彼らは非接触型原子間力顕微鏡(Non-contact Atomic Force Microscopy; NC-AFM)という分析機器を用い、この画像の撮影に成功しました。
AFMの原理自体は、それほど難しいものではありません。
試料表面を探針(tip)でなぞると、試料との間に原子間力(引力)が生じます。その力の大きさをカンチレバー(Cantilever)の”たわみ”とし て検出します。たわみ具合はレーザー光の反射角から精密に見積もることができます。このようにして、試料表面の凹凸を画像化しているのです。
同様 の測定ができる走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)と比較して、導電性のない材料にも適用可能な利点を持ちます。通常、導電性に乏しい有機化合物を観測するためには、重要な特性といえます。
NC-AFMでは、探針を上下振動させて走査し、探針-試料間距離に応じて変化する振動パラメータ(振幅、振動数、位相など)の変化を検出します。分解能などさまざまな点で接触型よりも優れており、既に原子レベルの分解能を誇ります。
しかし冒頭画像のごとく化学結合までをも可視化するには、それ以上、すなわちサブアトミックスケールにまで分解能を上げねばなりません。
IBMグループは、一酸化炭素(CO)を先端に結合させた探針を使うことで、この問題を解決しました。
AFMの分解能は、探針の先端径に大きく依存することが知られています。その点、COは究極に細い「分子サイズの探針」とみなすことができます。さらに、被占分子軌道(化学結合)が存在する場所においては、CO分子との間にパウリの排他原理に基づく斥力が働きます。これを検出することで、化学結合までをも可視化できるようになった、というわけです。
これほどまでに鮮明なAFM画像を撮影するには、超高真空・極低温で測定を行う必要があります。非エキスパートでも軽々しく撮影できる代物でない、というのが少し残念ではあります。
しかし改良が進んで使いやすくなれば、有機化学者にとってはまさしく”夢の技術”たりえるのではないでしょうか。今後の発展を心待ちにしたいと思います。
データを「10億年」保持可能:カーボン・ナノチューブ利用 | WIRED VISION
カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが、カーボン・ナノチューブを用いた新しいデータ保存技術を考案した。10億年以上もデータを保持できるというものだ。
同技術は、現在のデータ保存方法全般に見られる問題を改善するために考案されたという。記録密度が高まるにつれて、記録媒体の寿命は短くなっている、と研究チームは指摘する。たとえば、石に刻んだ文字は、3800年経ってもまだ大部分が読めるが、現在普及しているデジタル記録技術、たとえばハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの寿命はわずか10〜30年ほどだ。
今回の研究の記録装置は、中空のカーボン・ナノチューブ内部に鉄のナノ粒子を封入したもの。カーボン・ナノチューブは分子レベルの管状物質で、通常、炭素同素体でできている。データの保存には、ナノチューブに小さな電圧の信号を加えることで、鉄ナノ粒子のシャトル[画像参照]を動かし、チューブ内を行ったり来たりさせる。ナノ粒子がチューブの端から端へ移動することで、「1」と「0」の二進状態が作られる。
ナノ粒子の位置は直接読み出すことができる、と研究チームは『Nano Letters』誌の最新号に発表した論文の中で述べている。「ナノ粒子の運動は可逆的であるため、メモリのビット[1か0か]は書き換えることが可能だ」[カーボンナノチューブ内のFeナノ粒子の位置は、電気抵抗の変化という形で読み出し可能という。
この技術は、文書などの保管用として大きな可能性を秘めている、と研究チームは主張する。ナノ粒子を用いた記録装置は優れた永続性を示しているからだ。[永続性記憶装置は、電源が切れてもデータを保持できる機器のこと。EE Timesの記事によると、今回の技術は熱力学的安定性が高いという]
また、小さなスペースに多くのデータを保存できるという利点もある。この装置の記録密度は、1平方インチ当たり10の12乗ビットに達すると予想される。郵便切手1枚分のスペースに、DVDほぼ25枚分のデータを格納できる密度だ。[EE Timesの記事によると、平方インチ当たり1Tビット以上。既存のメモリー技術では、同10G〜100Gビットのデータを10〜30年程度保持]
カーボンナノチューブでできた世界で最も「黒い」物質(1) | WIRED VISION
独立行政法人産業技術総合研究所 計測標準部門の水野耕平博士らが開発した「カーボンナノチューブ黒体」はあらゆる波長の光の97〜99%を吸収できる、この世で最も「黒い」物質だ。ひょんなことから生まれたこのカーボンナノチューブ黒体は、環境や計測、映像機器などに応用できる可能性がある。
この度、バイオエンジニアリング&ナノテクノロジー協会のシンガポール人研究者達が安全で毒性のない方法で、二酸化炭素を燃焼しても大気汚染物質の排出が少ないクリーンなバイオメタノールに変換する技術を考案したそうです。なんだか、人類は地球の最大の敵「地球温暖化」に勝てそうな気がしてきました。— 二酸化炭素なんかに負けないぞ!地球を救う方法を発見!? : Gizmodo Japan
この科学上の発見は有名な科学雑誌「Angewandte Chemie」に掲載され、非常に重要な発明であると判断されました。また、Gizmagによると。科学者たちは「乾燥した日の緩やかな条件下で二酸化炭素をN-ヘテロ環状カルベン(NHC)と呼ばれる有機触媒と反応させることが出来た」とも語っているそうです。その後、ほんの少しのシリカと水素を加えることによって、全体の混合物はメタノールを作り出すために加水分解されるはずとのこと。着々と実験は進んでいるようです。
ここ数年の調査結果で、日本はじつは「資源大国」の可能性がきわめて大きいことがわかった。その代表的な資源が「メタンハイドレート」だ。— J-CASTニュース : ニッポンは資源大国だった「燃える氷」2018年度に商業化
メタンハイドレートは石油や石炭に代わる次世代エネルギーとして期待されていて、「燃える氷」と呼ばれている。メタンガスと水が結びついた固体状の物質で、1立方メートルのメタンハイドレートを解凍すると164立方メートルのメタンガスになる。全世界での埋蔵量は陸地で数十兆立方メートル、海域で数千兆立方メートル。じつに、天然ガスや石油の2倍以上といわれている。
日本にとっては、この資源が陸地ではなく、海底深くに埋もれているのがミソ。日本は国土こそ世界第60位(約38万平方キロメートル)と小さいが、約447万平方キロメートルと世界第6位の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の広さを誇っている。メタンハイドレートの場合、日本列島を取り囲むような形で、多量に埋蔵されているといわれる。さらに、石油や天然ガス、海底熱水鉱床などのエネルギー・鉱物資源の存在がすでに確認されているのだ。
地球の生命に欠かせないアミノ酸などの有機物が、隕石(いんせき)が海に衝突する際の化学反応で簡単に合成できることを、物質・材料研究機構と東北大学のグループが実験で確かめた。— 生命の源・アミノ酸、隕石衝突で簡単に合成…実験で確認 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在分かっている原始地球の大気組成に基づいて、生命物質の合成に成功したのは世界で初めて。科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに8日発表する。
アミノ酸などの起源については、米国の化学者ミラーが1952年に、アンモニアやメタン、水蒸気を詰めたフラスコ内で放電、アミノ酸などを合成した有名な実験がある。
しかし、原始の大気は、当時考えられていたようなアンモニアやメタンが主成分ではなく、二酸化炭素と窒素、水蒸気だったとする説が有力。この組成では、ミラー実験のような化学反応は起きないことから、生命物質の由来は再び謎となっていた。
グループは、窒素ガスで満たした金属筒に水と炭素、鉄などを封入。超高速でプラスチック製弾丸を衝突させて筒の内部を瞬間的に約6万気圧に上げ、隕石の海洋衝突を再現した。その結果、アミノ酸の一種のグリシンや、脂肪酸、アミンといった、生物の体を構成する基本分子が生成した。
同機構の中沢弘基・名誉フェローは「現段階で考えられる合理的なシナリオだ」と話している。